市場カテゴリー毎のバックテスト(「一般的なシステムに対するカテゴリー分けの効果」:その1)
久々の更新となりました。
これまでは、Kairi-01システム固有の問題点を考えてきましたが、今回からは、広く一般的なトレードシステムに対しての市場カテゴリーわけの効果について、私なりに思ったことを書きたいと思います。まとめると次のテーマがあるかと思います。
- 一般的なシステムに対するカテゴリー分けの効果
- スクリーニング
- リスク管理(ポジションサイズ)
- エントリー優先順位
- システム最適化
- システムの有効性の判断・確認
今日はその中から、「スクリーニング」と「リスク管理(ポジションサイズ)」について考えてみたいと思います。
--スクリーニング
現在全ての市場の銘柄を合計すると、おおよそその銘柄数は6000以上あり、日々のスクリーニングを効果的に行うことは、システムトレードを目指す場合の大きな課題だと思います。
単に、一つだけ汎用的な指標(例えば移動平均など)だけでスクリーニングするのであれば、数々のソフトで実現可能です。しかし、指標が複数であったり、指標を使わない独自のロジック(私もよく行いますが)を利用してスクリーニングする場合は、途端にスクリーニングを行えるソフトが少なくなります。ロジックによってはソフトでスクリーニングできない場合もあります。
こういった場合は、独自のDBを作成し、日々データを更新して、独自にスクリーニングするしかありません。しかし、全ての人がDBの知識があるわけではないので、このあたりが最初の壁となり、実現を断念せざるを得ないケースもあるでしょう。
しかし、ここで市場カテゴリーわけという方法を利用し、スクリーニング負荷を少しでも減らすという考えはどうでしょうか。
そもそも、「全市場の全銘柄を対象にする必要は無い」というのが私の考えです。あえて全市場の全銘柄を対象とする必要性が出る場合があるとすれば、トレードチャンスが極端に少ないシステムで、トレード機会を増やす場合などでしょう。もちろんそれ以外の場合もあるでしょうが・・
なら、最初から自分のシステムに有利なカテゴリーに絞ってトレードすべきだと考えるのが自然だと思います。
ただやはり、トレード機会とのバランスをとるべきだとは思います。有利なカテゴリーだけではトレード機会が少ないのであれば、結局対象を増やすしかなく、やはりスクリーニング時の問題は解決されないという結果となります。
このあたりの課題こそあるものの、「市場カテゴリー」という考え方をうまく取り入れれば、ある程度スクリーニング負荷に対して効果はあるような気がします。
--リスク管理(ポジションサイズ)
結果を見てもわかるように、成績が優秀だったカテゴリー同士を比較しても、成績にはばらつきがあります。なので、成績が優秀であるカテゴリーといっても、トレードリスクが異なります。
この事実がわかっているなら、リスク管理に使わない手はありません。
例えば・・・仮にAとBという成績が優秀だったカテゴリーがあったとします(このカテゴリーは検証してきたカテゴリーとは違います。あくまでも例ですので・・)。しかしながら、AとBは互いに成績が優秀ではあるものの、AとBのカテゴリーの成績を比べると、Bの方が成績が若干悪いとしましょう。
この場合、その成績の差にもよりますが、AとBのカテゴリーで、まったく同じリスクをとるのではなく、仮にAのトレードで資産の10%程度のポジションをとるのであれば、Bのトレードは資産の7-8%程度のポジションに減らすなどして、リスクを減らすべきだと思うわけです。
ただこの考え方は、リスク管理の部分的なカスタマイズといった感じの効果であって、リスク管理を完全にまかなえる考え方(リスク管理の根幹となる考え方)ではないことは強調しておきたいと思います。
うまく使えば効果がありそうなので、私個人的にはこのリスク管理への応用について、今後もう少し考えてみようかと思っています。
次回は、
-
- エントリー優先順位
- システム最適化
について触れたいと思います。